漫画で英語を勉強するいちばん続けやすい方法は、日本語ですでに読んだ作品の英語版を、一話ずつ日本語版と照らし合わせて読むことです。話の流れを知っているので、知らない単語があっても絵と前後のセリフから意味の見当がつきます。分からないふきだしだけを確認すれば、辞書を引く回数が大きく減ります。
逆に、初めて読む作品をいきなり英語で読むと、話を追うことと英語を読むことを同時にこなす必要があり、多くの人が数ページで止まります。ここでは作品の選び方、英語版ならではの読みにくさ、ふきだし単位で意味を確かめる手順を順番にまとめます。
作品の選び方
最初の一冊で続くかどうかがほぼ決まります。基準は三つです。
- 日本語で読み終えている。筋を知っていることが一番の助けになります。
- 会話が多く、ナレーションが少ない。学園ものや日常ものは、実際に使う口語の英語がそのまま出てきます。
- 専門用語が少ない。ファンタジーの固有名詞や、医療や法律の用語が多い作品は二冊目以降に回します。
巻数が多い長編より、数巻で終わる作品のほうが「一冊読み切った」という手応えが早く来ます。
英語版ならではの読みにくさ
英語版の漫画には、普通の英文にはないクセがいくつかあります。知っておくだけで戸惑いが減ります。
| 英語版の特徴 | 読むときに困ること | 対処 |
|---|---|---|
| ふきだしの文字がすべて大文字のことが多い | 文頭や固有名詞の区別がつきにくい | 名前は日本語版で先に確認しておく |
| 右開きのまま出版されている版が多い | 日本の漫画と同じ順番なので逆に迷わない | 日本語版と同じページを開いて並べる |
| 「さん」「先輩」などの呼び方の扱いが版ごとに違う | 残す版と、英語の言い回しに置き換える版がある | 版の冒頭の注記を確認する |
| 擬音の扱いが版ごとに違う | 日本語の擬音が残り、英語が小さく添えられることがある | 擬音は後回しにしてセリフを優先する |
| 口語の省略形が多い | gonna、wanna、y'know などが教科書に出てこない | よく出る形だけメモして覚える |
大文字だけの文章は最初こそ読みにくいですが、数話で目が慣れます。
一話の読み方
- 日本語版で一話を読み、話の流れを思い出しておきます。
- 英語版の同じ話を、ふきだしごとに声に出さず読み進めます。
- 分からないふきだしは、まず絵と前後のセリフから意味を推測します。
- それでも分からないふきだしだけ、日本語版の同じコマで確かめます。
- 気に入った言い回しを一話につき二つか三つだけメモします。
全部の単語を調べないことが続けるコツです。一話で調べるのが十か所を超えるなら、その作品はまだ少し早いので、もっと会話が平易な作品に替えたほうが伸びます。
日本語版が手元にないときの確かめ方
照らし合わせの方法は、日本語版と英語版の両方を持っていることが前提です。英語版しかない作品や、日本語版が別の部屋の本棚にある場合は、分からないふきだしだけをカメラ翻訳で確かめる方法が使えます。
Yomiのマンガモードでは、英語版のページを撮るか画像を読み込み、分からないふきだしをタップすると、英語が消えて同じふきだしの中に日本語が入ります。絵はそのまま残るので、どのキャラクターのセリフかを見失いません。全部を一気に訳すのではなく、推測してから一つだけタップするほうが、英語は頭に残ります。アカウント登録は不要です。英語の文章全般をカメラで読む方法は英語翻訳カメラの記事にまとめています。
よくある失敗
- 最初の一冊に、好きだけれど未読の長編を選ぶ。筋を追うだけで疲れてしまいます。
- 分からない単語を全部調べる。一話に一時間かかり、三日で止まります。
- 翻訳を先に見てから英語を読む。推測する段階を飛ばすと、ほとんど覚えていません。
- 擬音まで全部理解しようとする。擬音は版ごとに処理が違うので、セリフを優先します。
試すなら、まず無料で読める英語の漫画から
手元に英語版がない場合は、権利の切れた古い英語のコマ漫画で試すこともできます。Yomiの無料ライブラリには、1905年に新聞連載が始まったウィンザー・マッケイの「Little Nemo in Slumberland」が入っていて、パブリックドメインなので自由に読めます。ふきだしの英語は少し古い言い回しですが、タップして日本語を確かめる練習にはちょうどいい分量です。英語版の漫画は、書店の洋書売り場や通販の洋書カテゴリで買えます。自分で買った本を自分の勉強のために読むぶんには問題ありませんが、訳した画像を公開するのは作家と出版社の権利を損なうのでやめましょう。マンガのふきだし翻訳そのものについては漫画翻訳カメラの記事で詳しく書いています。