漫画を翻訳するならカメラアプリが向いています。ふきだしの中の外国語をその場で認識して、同じ位置に日本語で置き換えるからです。写真でも、紙の単行本でも、ピッコマやLINEマンガのような公式アプリの中で開いている画面でも使えます。ブラウザ拡張機能ではこの三つのうち一つも扱えません。
条件が一つあります。読む話数を正当に持っていることです。購入した単行本、電子版として買ったファイル、公式アプリで閲覧中のページならどれも当てはまります。
ブラウザ拡張機能が届かない場所
ブラウザ拡張機能は、開いているサイトのデータを読み取って書き換える権限をもらい、パソコンの画面の中だけで動きます。NAVER WEBTOONのような公式サイトをパソコンで読むだけなら十分実用的です。問題はそこから先です。
- カメラロールに保存したスクリーンショットは対象外です。
- 紙で買った単行本を撮った写真も対象外です。
- ピッコマやLINEマンガのようなアプリの中で開いているページも、拡張機能の手が届きません。
漫画の多くは通勤電車やベッドの中、スマホの画面で読まれています。ブラウザ拡張機能が動くのは、そこではありません。
方法別の比較
| 方法 | 写真や紙の本を読めるか | オフラインで動くか | 公式アプリの画面に使えるか | 画像がサーバーに送られるか |
|---|---|---|---|---|
| 端末内処理のカメラ翻訳アプリ(Yomiのマンガモード) | 読める | 動く | 使える | 送られない |
| ブラウザ拡張機能 | 読めない | ほとんど動かない | 使えない | 送られることが多い |
| クラウドOCRサイト(画像アップロード) | 読める、ただしアップロードが必要 | 動かない | 条件付きで使える | 送られる |
クラウドOCRサイトは一見便利ですが、まだ公開されていない話数を見知らぬサーバーに送ることになります。読み終えたら消えるわけでもありません。
実際の使い方
- 正当にアクセスできる話数を、写真かスクリーンショット、画像ファイルとして用意します。
- 漫画専用の翻訳アプリを開き、その画像を読み込みます。一般的な写真加工アプリでは、ふきだしの形に合わせた文字入れができません。
- ふきだしをタップします。外国語が消え、大きさの合った日本語がその場に入ります。
- コマ順に、または縦読み作品ならスクロールしながら、同じ動作を繰り返します。
英語のコミックを覚えたい人は、日本語と一緒に原文を並べて表示する学習モードを使うと、単語が自然に頭に残ります。セリフは短く反復も多いので、教材として実は使いやすいです。
原語が英語でも韓国語でも中国語でも同じ手順
英語のオリジナルコミック、韓国のウェブトゥーンやマンファ、中国のマンホア。どれも仕組みは同じで、ふきだしの中の外国語を認識して同じ位置に日本語を入れます。変わるのは読み取る言語だけです。韓国語のマンファについては韓国漫画を日本語で読む方法、縦読み作品全般の注意点はウェブトゥーン翻訳アプリの選び方でも扱っています。
よくある失敗
- 一話分を一枚の巨大な画像として読み込み、OCRを一度だけかける。コマ数が多いほど読み取り順が崩れます。
- 一枚絵の単行本ページ用のツールで、縦読み構成の作品を訳そうとする。最初の画面だけ処理して止まります。
- ふきだしの外に描かれた擬音語まで訳されると期待する。多くのツールはふきだしの中の文字しか対象にしません。
- 日本語版がすでに配信されているかを確認せずに、原文をそのまま訳してしまう。
正当に持っている話数を、自分が読むために
すでにアクセス権を持っている話数を、自分で読むために翻訳するのは個人利用です。訳した画像を再配布したり、販売したり、正式な配信版のように見せかけたりするのは別の話で、作家や出版社、配信プラットフォームの収益を損ないます。日本語版がすでにある作品はそちらを読んでください。自己翻訳は、まだ日本語に届いていない話数のための手段です。
タブではなくスマホの中で完結させる
Yomiのマンガモードは、画像の読み込みからふきだしのタップ、日本語で読むところまで、すべてiPhoneの中だけで処理します。サーバーへのアップロードも通信も要りません。ブラウザ拡張機能との違いは、結局そこにあります。片方は実際に読む場所で動き、もう片方はパソコンのタブの中に置き去りになりがちです。